「そっか」 「俺、莉乃のことちゃんと好きだった。でも、あいつ以上に好きにはなれなかった。」 「今さらそんなこと…」 「ほんと今さらだよな。言い訳みたいでごめん。」 「晃がその子を好きならしょうがないよ。その子は誰って聞いてもいい?」 晃は髪をくしゃっとかきあげ、 気まずそうに言った。 「高橋晴香」 たかはしはるか。 聞き覚えのあるその名前は、 去年、私が仲のよかった 友達の名前だった。