そんなの出来るなんて…。



 男の人は逃げていった。



「大丈夫か?」



「ゆうちゃん…。回し蹴りって…」



 あんな特撮のような、キレイなキック。



 それもフォームが決まってた。



「特撮、昔から好きなんだ。だから、真似して鍛えてた。今も鍛えてるよ。彼女くらい守れるくらいにね」



 …あたしを守れるように…。