あたしはゆうちゃんをポカポカ叩いた。



 でも、ゆうちゃんにすぐ腕を掴まれた。



「寝坊するお前が悪いんだろ…?俺が待っててくれてんだし、感謝しろって」



 うぐっ…。



 何も言えない。



 ゆうちゃんの言ってることが、正論だから。



 ただ、感謝しなきゃいけないのは知らない。



「ほら、遅刻するぞ。乗れよ」



 ゆうちゃんはあたしを、自転車の後ろに乗せて、走り出した。