『話を戻すが、お前は死んでいない。さっさと帰れ』

『‥帰れって……アンタが連れてきたんじゃないの?』

『俺は死者しか迎えには行かない。お前はリストに乗っていない』

『…あっそ』

『死にたいか?』



死神はリストらしき物を開きながら僕に聞く。



死にたい…か。



『そのリストには、少し先に僕の名前あると思うけど』

『…名前は?』

『龍雅浬音』



死神の目が微かに光った瞬間、リストのページが一気にめくられ、あるページで止まった。



『あぁ。あったあった』

『ねぇ、アンタが迎えに来てくれるの?』

『俺は無理だ。俺の担当は病室で死んだ奴を迎えに行くこと』

『…へぇ』

『お前は違うからな、優しい奴が行くんじゃね?』



死神はリストを閉じ、さっきまで無かった、扉を指を指した。