「…そう‥か。俺達は黒炎。県No.1だ」
「興味ない」
「ふっ…いずれ嫌でも興味を持つさ」
玖音は「あっそ」といい僕を抱いたまま教室を出ようとしていた。
「玖音」
「なんだ」
「浬音が好きなチョコケーキ‥君たちの部屋にあるから」
「わかった。後は任せたぞ、閨杜」
「えぇ。浬音、チョコケーキ早めに食べてくださいね」
優しく微笑んだ閨ちゃんに僕は小さく手を振った。
玖音は教室を出た。
「玖音…」
「なに」
「いいの‥?今日、転校してきたのに‥授業でなくて」
僕が言うと、玖音はフッと笑った。
「授業なんかでなくても、ここでは問題ないだろ?」
「‥だいクンが理事長だから?」
「ちがう。不良校だから」