僕は、だいクンに抱きついた。



「‥り、おん?」

「或の言う通りだよ。だいクンが泣くとこなんか、見たくない。止めてほしいとも思わない」

「浬音‥っ」



だいクンは、ギュッと僕を抱きしめた。


力強く、だけど優しく。



「…僕ね、ホントは怖いんだよ‥?だけど、僕が死んだら玖音は助かる」

「‥っ」

「僕の気持ちは…変わらない。もう‥変えられない」



僕は震えるだいクンの頭を優しく撫でる。



「玖音を守れるなら…嫌われてもいい。玖音を守れるなら、こんな命‥惜しくない」

「っ‥く」

「だいクンが…僕の背中を押してよ。それがきっと‥だいクンの役目だよ」



だいクンは…ゆっくりと僕の胸から顔を上げる。


まるで子供のような顔のだいクンに、僕は優しく微笑んだ。



だいクンとは…

これがきっと最後だ‥