「父さんのところに行こう。部屋にいるらしいから」

「うん」


僕らは鞄を持ち、部屋を出た。

玖音と2人で広い家の中を歩いた。

家の中央にある、大きな部屋の前で僕らは立ち止まった。


「父さん」


玖音が襖を開けずに言う。

襖の奥から玖音よりも低い声が響く。


「入れ」

「「失礼します」」


僕らは返事をし、襖をゆっくりと開けた。


父さんの部屋は和室。

父さんは座布団の上に座り、僕らを見ていた。


父さんの座っている前に僕らは座った。


「玖音、浬音」

「「はい」」

「黒駕高校は不良校だ。何か起こる可能性もある」

「問題ありません。ただ‥黒猫ということは隠します。色々と面倒なので」

「そうか、わかった。お前の好きにするといい」


玖音は真っ直ぐに父さんを見ていた。


僕らの父さんは凄い人‥

龍雅組の組長。