部屋で着替えていると、いつもは静かなはずの家が、今日はいつもより騒がしい。
どうやら誰かが来たみたいだ。
別に気になるわけじゃないけど、僕は玄関に向かった。
「お引き取り願いたい」
僕はバレないように気配を消し、話を聞く。
「嫌だ。逢うまで帰らねぇ」
「浬音坊ちゃんには逢わせられない。お引き取りを」
どうやら僕に用があるらしい…
誰だろ?
分かるのは、僕の事を男として扱っているということ。
つまり、僕が女だと知られてはいけない奴が来ている。
「吠羅(ハイラ)」
僕は来客者の相手をしている吠羅の名を呼んだ。
「浬音坊ちゃん!!!!」