「遅くなってごめん。」

「ううんッ!!」


私は勢いよく首を横に振った。


「間に合ってよかった……。」

「ありがとう。」

「ほら、そこの部屋使って着替えてこい。」


慧斗は右から2つ目のドアを指差した。


「うん。」


私はその部屋に入って、乱れた制服を着直そうとしたけど、


手が震えてボタンが止まらない。


私はリビングのドアを開けた。


「慧斗……。」

「どうした?」

「ボタン、止めて。
手、震えて……、」

「おいで。」


私は素直に慧斗の隣に座る。