「愛実の上から退けってのが聞こえねぇのかよ。」


慧斗は王子の仮面を外し、冷たい瞳でそう言った。


いつもと違う学園の王子に怯み、先輩が私の上から退く。


「先輩、処分を楽しみにしていてくださいね。」


慧斗はそう言って、
私を起こし、腕を引いて家へ連れていかれた。





バタン。

ギュッ。


「大丈夫か…?」

「う……んッ、」


涙が止まらない。