バンッ!!


ドアが音をたてて開いた。


「……。」

「……チッ、誰だか知らねぇけど、今イイトコだから、出てってくれる?」


駄目ッ!!


「助…けて!!」


私はかすれた声で助けを呼んだ。


「先輩、退学処分受けたいですか?」


冷たい声が響く。

この声………、


「チッ。お前かよ、王子様。」

「早く退いてください。」

「無理。」


「け……と、助けて。」


私は慧斗だと分かった途端、涙が溢れてきた。