その時、

ガラガラ。


「佐野愛実ちゃんいる~?」


先輩らしき男の人に名前を呼ばれた。


「私……?」

「ぁ、いたいた。
話があるんだけど、ついてきてくれるかな??」


「…麻奈?」


麻奈は私の手をギュッと握って首を横に振った。


「大丈夫だよ。
話聞くだけだし。」


私は先輩の方へ歩いていった。


「愛実ッ!!」


グィッ!!


「じゃ、行こうか。」


先輩は、私の腕を引いて歩き出した。