「佐野さん、アドレス教えてくれるかな?」





……は??





一瞬クラスが静まりかえり、ざわめいた。


「王子、めぐにアド聞いてる?!」

「何で佐野さんなの?!」


私は、口端を痙攣させながらも、スマイルを崩さずに、


「何故ですか?」


そう問いかけた。

小さく抵抗したつもり。


「委員会、一緒でしょ?
急な連絡があったときとか、お互い教えあえればと思って。」


……。


「……はぃ。」


私は、紙に自分のアドを書いて、慧斗に渡した。