「~ッ、そうだ!!
お母さんからお使い頼まれてたんだ!!」


私は、甘い空気に耐えきれず、


「ってことで!!」


そう言って、油断していた慧斗から離れ、
鞄片手に、部屋を飛び出した。



……本当はお使いなんて頼まれてないけど。





「ふぅ……。」


帰り道、私はため息をつきながら、今日のことを思い出していた。


今日は……、
濃かったな……。


慧斗……、
こんなに甘い男だったとは……。