「麻奈……。」
麻奈が気をきかせて言っといてくれたんだ。
……後でお礼しなきゃ。
そう完結させたとき、
ふと一点に視線が止まり、私の頬を濡らした。
「これ……、」
私は左手の薬指にはまっているソレを優しく撫でた。
「誓いの指輪。」
愛しい人の声がして振り返ると、慧斗が優しい顔で私に微笑んでいた。
「ごめ……、起こしちゃった。」
私は鼻をすすって、
慧斗に謝った。
「愛実……。」
「ひゃ……。」
慧斗は上半身を起こして私の左手を取り、
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