「言え。」 更に近づく距離。 「無理!!」 「言え。」 「無理!!」 「絶対言え。」 どんどん近づく距離に、私は少しずつ、心拍数が上がっていくのを感じた。 「……。」 私と柏原慧斗との距離は、瞬きをしたら、睫が当たりそうなぐらいまで近づいていた。 「はーやーく。」 ほんの少しかかる息に、 近すぎる距離に、 私は負けた。 「けぃ……と//」