雪ちゃん……、


「ありがとう。」


私は走り出した。


背中を押されたとき、
分かっちゃった……。


雪ちゃんの手、少しだけ震えてた……。


「ごめんね。ありがとう。」


私は小さく呟き、
慧斗を探すため、あたりを見回した。


「ぁ、いた……。」


少し遠くに、慧斗の姿が見えた。

私は人混みを掻き分け、慧斗に声をかけようとしたその時、





「慧斗くん♪」


「奈々ちゃん、」





……ぇ?