パタン…。


保健室のドアを閉める柏原慧斗。


「…さて。」


ドアを閉めて、
こっちを向く柏原慧斗。


ジリジリと私に近づいてくる。


反射的に、後退りをする私。


「な、何…。」


トン。


後ろはもう、壁。


「ぃや?」


“ぃや?”って……。


「ちょ…、近い。」


私は顔を背けた。


「こっち…。」


柏原慧斗に顎をすくわれて、目が合う。


目の前には、
整った顔のドアップ。


私は、真っ直ぐ見ていられなくて、視線を泳がせた。