ガラガラッ!!


「慧斗くん~♪」


ドアが開く大きい音と、黄色い一つの声が、教室に入ってきた。


「若林さん…。」


彼女の名前を呼んだのは、彼女に名前を呼ばれた張本人の慧斗。

心なしか、慧斗から黒いものが出てるきがする。


「ぁ、慧斗くん♪
今日の前夜祭、私と回って……、」

「あ~ら、ごめんなさいねぇ。慧斗は私たち3人と回る約束してるの。」


麻奈が勝ち誇ったように若林さんに言う。


その瞬間、ふたりの間に火花が見えた気がした。