「なんで慧斗のこと……。」

「なんでだと思う??」


お兄ちゃんは、ニヤッと笑った。


「意地悪馬鹿兄貴。」

「オイ。」


私は不貞腐れて、
馬鹿兄貴に悪態をついた。


「はぁー……。」

「ただ、言っとくけど、俺と愛実が兄妹だってこと、慧斗は知らねぇから。」

「はぁ??」


意味わかんない。

大体、


「馬鹿兄貴。私と夜ご飯食べに行ったとき、窓の外から慧斗見てたから。」

「大丈夫!!俺の顔なんかこれっぽっちも見てなかったらしいし!!!!!!」


馬鹿兄貴は、自信満々に答えた。