「いてえって!!
……お前に彼氏がいること、親父たちは知らない。」

「……。」

「愛実が、一番幸せな方を選べよ。」


私はお兄ちゃんを見た。


「愛実には、幸せになってほしいんだよ。」

「お兄ちゃん……。」


私はお兄ちゃんに笑いかけた。


「ありがとう。」

「まあ、あれだ。
柏原ホールディングスも、坂倉グループも、提携するには良好だしな。
お前は、何も考えずに、恋愛感情だけで選べよ。」


私は、お兄ちゃんの言葉に、目を見開いた。