「愛実、さっき車内で軽く説明したけど、改めて紹介するわ。
貴女の婚約者の、坂倉雪くんよ。」


雪ちゃんはニカッと笑った。


「よろしくね、佐野ちゃん。」

「よ……ろしく……。」


雪ちゃんのお母さんらしき人が、私に微笑みかけて、


「さあさ、座って食べながら談笑でもしましょう。」


私に席につくように促した。


「はい。」


私は席につく。