「ねー桜庭さん、
お兄ちゃんの付き人なんて止めて、私に乗り換えない??」

「お嬢様……、」


桜庭さんは困った笑顔になる。


「ぁ、おいッ!!
何桜庭さんに色目使ってんだよ!!!!!!」


車内でわーわーしている内に、家についた。


「ただいまぁ~。」

「愛実ッ!!」

「はぃッ!!」


お母さんが勢いよく私を呼ぶ。

私もつられて勢いよく返事をした。


「急いでこっち来なさい!!」


お母さんは、客間に私を引っ張った。