「……よし、そろそろ帰ろうか。」

「うん。」

「ぁ、ごめん。
次の授業の道具、慧斗の家に置いてきたから、先行ってて。」

「ぁ、うん。分かった。」


私はクラスに向かって歩き始めた。





「――、」

「――るせぇな。」


螺旋階段の一番下から、会話が聞こえてくる。


この声、慧斗だ。


私は引き寄せられるように、螺旋階段の下に進んだ。


「――慧斗はいつもそうよね。」


……ぇ?


「麻奈こそ、お節介治したら?」





麻奈と……、


慧斗………?