校門には人だかり。





……はぁ。


私はため息をつきながらお兄ちゃんに近づく。


「お待たせしましたっ。」

「おう、愛実!!
よし、行くぞッ!!!!」


お兄ちゃんは私の腕を引いて、人だかりから出してくれた。


「じゃあね~、みんな♪」


お兄ちゃんは、振り返って、呆然とこっちを見ている女子様にニコッと笑っていた。


「……。」


私は無言でスタスタ歩く。