私がこの男と付き合う気になったのは、

彼が物凄い楽天家で、

お人よしで、

馬鹿だったからだ。



彼の魂は、

いい意味でも

そして悪い意味でも

汚れが無い。



触れてもその苦しみや辛さを、

私がちょっと肩代わりしてやる必要など
これっぽっちも見当たらなかった。



そのすべてがあまり好きになれないタイプの人間である事が問題なのだ。




ドサッと目の前に人が座った気配で、

私は自分の世界から

そのざわついた場所に戻って来た。