私が憂にはじめて会ったのは、

デパートの物産展だった。



私は、

男とラーメンを食べていた。


いちよう
彼氏とか
恋人とか、
そういう類の男と。



会場の片隅に無理矢理作られたラーメン屋は、

物凄く混んでいて相席だった。


その、

あまりにも居心地の悪い場所で
パイプ椅子に座って、

たいして食べたくもない美味しくないラーメンを、

無理矢理口に押し込んでいた。



「うん、旨いよこれ。」

隣の男はそう言って、

ズルズルと麺を啜っている。