「じゃあ。」

彼はそう言って私の頭を軽く叩くと、
駅の方向に歩いていった。


私はその背中が見えなくなっても、
その場に立っていた。


彼がどんどん遠ざかっていく。


公園を抜けて、大通りを渡って。

彼が駅にたどり着いた頃、

ようやくその魂の気配は見えなくなった。