「そうだ。」


と彼は立ち上がりながら言った。

私も立ち上がる。

生温い風が吹き抜けていく。



「君は二人の事をこうなるんじゃないかって思っていたかもしれないけど。」


何の事を言われているのか一瞬わからなかった。


「君は何もしなくて正解だったんだ。どちらにしろああなってた。」


彼は言って、
私の頭をくしゃりと撫でた。



「君は悪くないよ。だから責任を感じたりしなくていい。」