たどり着いた公園は人気もなくて、
濃い緑で陽射しは遮られ、
少しひんやりしていた。
「魂が見える?」
私が手近なベンチに座ると、
彼は私の前に立ってそう言った。
「そう。魂の色や大きさや歪みとか、そういうのが見えるの。」
頷くと、
彼はなるほど、と言って私の隣に座った。
「それで君の思考には色が混じりこむんだな。それぞれ違った色。君はそれを不快に思ってる。」
彼のその言い方に、
私は思わず笑った。
私に対して、エスパスである事を隠す気はないらしい。
どうしてそんな風に、
すぐに心を開いてしまうのだろう。
いや、
心の中が見えるからこそ、
話していい人間かそうでないかを判断するのも容易なのかもしれない。