外は物凄い日射しだった。
暑くて、
半袖の腕がチリチリと痛い気がした。
「それ脱げば?目立つし、暑いし。」
私が言うと、
彼は自分の体を見下ろして白衣を脱いだ。
クルクルと丸めて鞄に詰め込んだので、
私は思わず笑った。
彼が首を傾げたから、
きちんと口に出して説明してやる事にした。
「どうでもいいならいいんだけど、そんな風に入れたらしわになるって分かってるなら、きちんと畳めばいいのに。」
私の言葉に、
彼は私をじっと見た。
また、
内側を覗いているんだって思った。
「君はエスパス?」
彼の問いは率直だった。
「いいえ。私は心は読めないわ。」
だから私もわかりやすい言葉を選んだ。
彼は私を見ていて、
私はそれ以上は言わずに前を向いて歩いた。