精神科医だか
カウンセラーだかは
計3人来たらしかった。


それでも私には自信があった。


私は彼のいる部屋に呼ばれると。



「次の方、どうぞ。」


呼ばれた先は、
やはり彼のいる部屋だった。


彼はアシスタントのように、
精神科医の後ろにぼんやりと座っていた。

私はこの精神科医を知っていた。

だからあえて口にした。


「父がお世話になっております。野崎教授。」


言われた精神科医は名札と私の顔を見比べて、

「これはこれは、神代教授の娘さんですか。」

と言った。


父が精神科医の中でもトップクラスだという事は知っていた。


人の心を覗き込み、

知ったふうな口をきく大嫌いな父。


母はカウンセラーの資格をもっていて、

やはり同じタイプの人間だった。


私はこの二人に精神状態を勝手に分析され、

心の奥底までズカズカと上がり込まれてきた。



ずっと、ずっとだ。