「柚李、お前は戦闘中に意識を失い、此処に運ばれた」

 戦 闘 中 に だ と ?

何、何何!!?
私戦ってたわけですか!?
だからこんなに傷まみれで動けなくてすごい事になってるのかよ畜生。
戦闘って…何と?

「お前は何の記憶も無いんだな?」

スルーしやがったこいつ。

まぁ何も覚えてないし、知らない。
自分の名前も知らなかったしな。

「そうか
…お前はある組織に命を狙われていてな…
その組織と戦闘をしていて、急所を突かれて意識を失ったんだ」

…………………………今何と?
組織!?は!?
命狙われてるの!?

「そうだ
ちなみにお前は殺し屋だ」

殺し屋ぁぁぁあ!?
待て待て!
じゃあちょっとつじつまが合ってきたんじゃないの!?
確かに殺し屋なら戦闘もするだろうし、命を狙われる事もあるだろう…
急所は…まぁどこかは知らないが、そのショックで記憶が全部飛んだのなら納得できる。
そして私のことを知り、戦闘の内容を知っているという事は…味方か敵かは別として、コイツも殺し屋か。

「流石、やっぱり理解が早いな。
並大抵の人間なら目の前に殺し屋がいれば驚き、慌てふためいて泣き叫んだりするのが普通だと思うが。」

そうなのかは分からないが、私は並大抵の人間ではないと受け取れるんだけど?

「確かに、お前は並大抵の人間ではないぞ」

私は人間だよな?

「何を言う?当たり前だろう…
(まぁ少しあり得ない能力を持ち得てはいるが…な)」

あり得ない能力?