あの防具がどれだけ軽くても、
動くには相当の力と速さを要する。

甘ったるい印象しかなかったあのクリスさんが、
あそこまでの手だれだったなんて!

ボクは、闘技場から退出したクリスさんを追いかけた。
場内ではまた次の手合が始まっていた。


ボクには今はそんなものはどうでもいい。

クリスさんを見つけてボクはクリスさん、と呼びかけた。

「あらぁ。あたくしの手合を見まして?
ア・ミ・ちゃ・ん!」

全く、この甘さは変わらないのだな……

「はい。とってもお強いじゃないですか。
あれはスームス流かな……」