雷に打たれたような心地で、ボクは知らず知らずのうちに、
うつむいて震える手を見つめていた。


「そうですね……弱者が自身を正当化したいだけなのかもしれません」

「そうじゃ。いいか、人の言い分を常に客観的に見るのじゃよ、アミ。
そして、自分の言わんとしていることも客観視するのじゃ」

先生はいつしか真顔でそう語りかける。


老齢のその顔は昔は美形だったのだろう、と思わせる。


「分かりました。常に、客観視――心に留めておきます」

「よしよし。それでは、勉強に入ろうか」