「うーん。」

「だからさぁ、最初はバイトから始めたら?」

「そうかなぁ?」

「まずは経験でしょぉ?」

「そんなもん?」


竜の部屋の隅っこで、並んで求人雑誌を読みふけっていた。


ガチャ


部屋のドアが開く。


「な、何してんの?!」

間の抜けた声。
コンビニ袋を提げた、雅が入ってきた。。


「ん?愛美の仕事探し手伝ってんの。」

竜が何故か楽しそうにそう答えると、雅が片目を細める。


「は?」


「クビなのアタシ。」


「くびぃ?」

そう言ったアタシに、さらには首まで傾げてしまった。



「まーいいや。とりあえずさっきのお店紹介してもらえる?」


アタシが竜に言うと、竜は満足そうにピースサインを出した。


「りょぉーかぁい」


「・・・・・。」


不審な顔で竜を見下ろす雅。


「何だよ雅?」



雅は怪訝な顔で、ソロリソロリと竜に歩み寄り言った。


「お前変な店紹介すんじゃないだろうなぁあ?」