「よぉ」


お互い、耳元から携帯をはなすと歩み寄る。


「どうしたの?」

「いや?別に落ち着かなかっただけー」


何でもない様なふりしながら、何気なく辺りに視線を配っているのはどうしてだろうか。


「そか。」

「うん、お前、一回着替えた方が良いぞ?」

真面目な顔して言うから、アタシは思わず顔をしかめる。


「何で?めんどくさい」


「・・・まぁいいや。送るから着替えろ。」


ふ~ん

「変なの。」





バイクの後ろにまたがるべく、那智の肩に手を置いて片足を上げた。


「おいっ!?」


「な、何?」


珍しく怒った様に言ったから、驚き慌てて上げた足を元に戻す。



那智の肩から手を離そうとした、その時・・・

パシッ!


アタシの手首を掴み、力強く握りしめた。


あ・・・


慌てて手を振り払おうとしても手遅れ。