駅をおりて学校までの通学路。


早足で歩きながら美咲の携帯を鳴らす。


PRRRRR

PRRRRRRRR


「・・・・・くそっ」


何度コールしても、留守電に切り替わるだけ。



もしかしたら普通に通学中の時間だし、気づかないのかもしれない。


そう思う事にして校門をくぐった。



下駄箱で誰かに声をかけられる。


「愛美!!超珍しいじゃん!」


「おはよー早いねぇ」



アタシは返事も出来ずに、そのまま気づいたら駆け出してた。


教室のドアに手をかける。


「・・・はぁはぁ」



珍しく走ったせいで息がきれる。


そっと鋭い視線を、窓側に席に向けると・・・・




「・・・・・。」

「・・・・っ」



細く笑った由美の瞳が、アタシを真っ直ぐにとらえてた。