20時少し前

思ったより早く待ち合わせ場所に着いた女は

思い付いたかの様に、立ち止まる事なく足を進めた。


昔、バイトしてた喫茶店が近くにある。


久々にマスターにも会いたい。



交差点で立ち止まる。

人波の中、ふいに空を見上げた。

あの頃から変わらず、綺麗な月は彼女を見下ろしていて、

何だか切なくなった。






青春とゆう季節が

終わりを告げた時


アタシは何を想う?

ねぇ・・・

あなたは何を想う?


矛盾を教えてくれた、アイツの不器用な優しさとか・・・・・


わかり会えずに別れた
あの子の涙とか・・・


共に過ごした仲間の、輝かしい未来とか・・・


それに・・・

愛しい人の横顔・・・



女はフッと微笑み、髪をかき上げた。


耳元で青く小さな石が、キラッと光って見えた。