瞬間、
駆け出した梅沢に、ナースセンターの看護婦や数人の医師らしい人達が怪訝な顔を向ける。


「走らないで下さいね!!」

義務的な言葉を投げかけられ、待合の横、梅沢が立ち止まる。


その少し後を、ゆっくりと足を進めると


待合の長椅子に、腰をかけて体を丸めた

山崎が居た・・・・


その目の前に、梅沢と並び立つ。


そんなアタシの足元に視線を落として


山崎は小さく呟いた。


「・・・何でもっと早く来なかった・・・」


「・・・・・・」
え・・・・


「何でだよっ!!ここまでそんなに時間かかんなかっただろ!どうして・・・・・」

「・・・・・・」

怒鳴りつけ、アタシを睨む山崎を見て


怒鳴られた事より、
睨まれた事より・・・・


その言葉の意味を知るのが恐ろしくて


アタシは、長い瞬きをして深く深呼吸をした。


「・・・白井は・・?」