「那智・・・・」
那智のその言葉に、どうしようもない位胸が苦しくなる。
「・・・行くなよ・・」
「・・・・・・」
涙目になったアタシに追い撃ちをかける。
「・・・・・」
「・・・・・」
そして、ぐっと体を引き寄せて・・・
那智の大きな体で、アタシを包んだ。
「お願い・・・」
「・・・・・・」
さらにキツク、強く抱きしめられて
温かくて
愛しくて・・・
こんな時に、
那智が好きだと・・・
体中で感じた。
「・・・・那智・・・」
アタシは、そのまま動けなくなりそうで
そっとその腕を・・・
ほどく・・・・
白井が危ないんだ!!
山崎の言葉が、頭を過ぎったから・・・・
「・・・・・」
黙ってアタシを見つめる那智を見上げる。
「・・・・・・」
ポケットから、ラッピングされた小さな小箱を差し出した。
「・・・・・」
「・・・・ごめんね」
那智の手に、それを無理矢理握らせると
そう呟いて、駆け出す。
梅沢の元へ
そして白井の元へ・・・