梅倉公園。


梅林と倉木のちょうど中間にある、だだっ広い公園で、季節になれば梅の花が咲き誇る。


でも今は


静寂の中、枯木が寂しそうに揺れてるだけ。


公園の入口で、二人立ち尽くしたまま


一言も喋らずに空を見上げていた。



月があまりにも綺麗で、アタシは思わず目を伏せる。


ババババ・・・・
バババババ・・・・・


「・・・・・」

「・・・・・」

遠くから懐かしいバイクの音。

ふと、顔を上げると

アタシ達の少し先

歩道にバイクを停車させてこちらを見る梅沢を見つけた。


「・・・・梅沢・・」


駆け寄ろうとしたアタシの手を・・・


「・・・・・!?」


「・・・行くの?」


那智にぐっと掴まれた。


振り返ると・・・


酷く・・・・

切ない表情を浮かべた那智がアタシを見下ろしていて


「行かないで・・」


そう呟いた。