「・・・・・・」

何でだろ。

泣きたくなる。


那智に見つめられると

胸がぎゅーってなる。


出会った頃から

アタシ達の距離は

ちっとも変わらないのに

切なさだけが募ってく


でも・・・・



「俺、苦しくてしょーがないんだけど?」

「・・・・・」

「俺にはお前がわからない・・・。」


伏し目がちに那智が、そう言って煙草を押し消した。



アタシも・・・・


「自分が、わかんない・・・・那智の事・・・」


那智の事・・・・・


躊躇い口を閉ざしたアタシに、那智が優しく問う

「俺の事?」

「・・・・・・」

「・・言ってよ。」


「・・・・・・」

溜息まじりに言い放った声に、那智を見上げる。


真っ直ぐにアタシを見る瞳。


躊躇いながら、

アタシの感情は・・・

その瞳に

奪われて・・・

逆らう事など


出来そうもない・・・