カチャッ・・・
竜の家の玄関が、そっと開かれる音。
高貴が視線を向けて、アタシもそちらを振り返った。
「那智・・・・」
そこには那智が立っていて、チラッとアタシを見てから、高貴に視線を向けた。
「ありがとう・・・」
そして小さな声で、そう呟いた。
「いや、悪かった・・」
高貴は照れくさそうに答えると、アタシ達に片手をあげる。
「じゃーな!」
逃げ出す様に走り去る背中を見送って、
ありがとう
心の中で呟いた。
ありがとう・・・
こんなアタシを
好きになってくれて
ありがとう・・・・
勇気をくれて
今でもあなたは
アタシの大切な人
ありがとう
そして
ごめんね・・・・・
元気で・・・
違う道でも
同じ方向に向かって、歩いて行こうね・・・・