振り返った由美は、口元が切れて瘡蓋になり、瞼の上は薄っすら青みがかっている。


化粧でごまかしているものの、明らかに殴られた痕。



「あははっ。」


「・・・・。」


苦笑いする由美の前まで行くと、そっと頬に手を触れた。


少し腫れてる気がする。



「殴られたのか?」


「・・・・・。」


何も言わずに視線をそらして、自らを嘲笑うかの様にフッと笑った。



「それでも好きなんだよねぇ・・・・」


「・・・・・?」


わけがわかんない。


何も答えを返せずに、薄く開いた唇を、ぎゅっとつむんだ。