夢が叶うとか
叶わないとか。
そんなの関係なしに。
もし高貴が本当に
バイオリンが好きなら
下手でも、思い通りにいかなくても、弾いたらいいと思う。
そしたら何か思い出すかもしれないし。
那智もまた笑ってくれるかもしれない。
その時アタシは・・
どうしようか。
誰かの為の絵を描けたら、もしかして素敵かもしれない。
そんな事を思いながら、家路を急ぐ。
クリスマスはもうすぐ。
クリスマスカラー一色になった街並を眺めて、白い息をはいた。
クリスマス。
ドラマみたいに素敵で
小説みたいに悲しくて
漫画みたいに気恥ずかしい
アタシにとって
忘れられない一日になる