「・・・・・」

包みの中は

スケッチブックと色鉛筆


「なぁーに?それ」

アタシの目の前で堂々と着替え始める竜に、サラっと答える。


「スケッチブックと色鉛筆。」

「・・見たらわかるよ」


上半身裸になった竜を振り返って、怪訝な顔をする。

「竜・・・アタシ一応女だぞ・・。」

「わかってるよ?」

平然と言った竜に、ちょっと嫌味を言う。

「デリカシーがないと女出来ないぞ。」

「いいもん。今はいらなーいっ。好きな事やるんだっ。どうせ時期が来たら継がなきゃいけないからね。」

「・・・・継ぐの?」

「そうそう。そしたらパチ屋さんで雇ってあげるね?」


「・・・・・・」

ヘラヘラと笑って話すけど、この歳で未来が決まってるって・・・どうなんだろうか。


俯いたアタシに、竜が笑った。


「ここまで育ててくれた恩返しだよ。いいんだ、俺はそれを受け止められる器持ってるから。」


「・・・・そっか。」


微笑むアタシに付け加える。

「高貴と違ってね?」