PRRR・・・

ワンコールですぐに竜の声が聞こえた。

「もしもーし」

「竜?」

「愛美っ!」

「うん。どうした?」

受話器片手にカーテンを開けて、その眩しさに目を細める。

「バイトなんだけどさぁ、面接今日はどう?」

「・・・・・」
えっ?

「前に言ったじゃん?喫茶店紹介するってぇ」

「本当にっっ!?」

てっきり流れたもんかと思ってた。

「うんっ♪店が閉まった後で良ければっ」

「ありがとう!大丈夫!行くよっ」

柄にもなく浮かれた声を出してしまう。

「あははっ、じゃーさ、まだ早いし、遊びに行ってもいい?」

「ん?うん。」

珍しいな・・・

「じゃあ今から行くね!ピンポンしたらいー?」

「ん。じゃあ待ってる」

「はーいっ」

はしゃいだ様子で電話を切った竜を尻目に


何だろ。


本当に珍しい。

受話器に首を傾げながら、それを元の位置に戻した。