戸惑うばかりのアタシに
ガンッ!!
白井が床を殴りつけると、怒鳴る様に叫んだ。
「行けよっ!いいから行けっ!もー二度と戻ってくんな!!」
「・・・・・」
涙がハラハラと零れ落ちる。
アタシはそれを手の甲で拭いながら、ゆっくりと立ち上がり、白井を見下ろした。
「アンタの事・・・アタシ・・・・」
「愛美ー・・・」
アタシの言葉を遮って、白井が顔を上げる。
「・・・・・」
「最後にお前に逢えてよかった・・ごめんな?」
優しい・・・
柔らかな笑顔だった。
「早く行け・・・・」
「・・・・っ」
アタシは白井に背を向けて
ゆっくりと歩き出す。
部屋の扉に手をかけて
静かに部屋を出た。
そしてそっと扉は閉まる
暗闇の中
しゃがみ込んだ白井を置き去りにして・・・・