パタン

ドアが閉まる音。


下からは相変わらず騒がしい声や音が響いてくる


ここだけ静かで

白井は床にしゃがみ込むと、アタシを見上げて目を細めた。




「俺の名前知ってる?」

突然何を言い出すかと思えば・・・・

「白井・・・」

そう答えたアタシに、白井は苦笑いする。

「白井優人ー。優しい人って書いてゆーと。名前負けしてんよなーっ」


「・・・・・」


「忘れんなよ。俺の事」

そう言ってアタシを見る白井の目は・・・

初めて見る、真剣な眼差しだった。


「何・・・言って・・」

「いーんだー。もー疲れた。」

深い溜息をついて目を伏せる。


黙ってアタシは白井に歩みよった。


何故アタシは戸惑うんだろう。

元々アタシの場所じゃなかった。


アタシはコイツを憎んでいて、道連れにしてでも、暗闇に引きずり落とすてやろうと思ってた。


でも・・・・